Q&A
リボ払いなのですが、過払い金が発生する可能性はありますか?
1 リボ払いでも過払い金は発生します
過払い金は基本的にリボ払いであるか否かで発生の有無が変わるわけではありません。
過払い金が発生する理由や背景等について解説しながら説明したいと思います。
2 過払い金発生の仕組み
過払い金が問題となったのは、改正されるまえの出資法と利息制限法とがかかわってきます。
改正前の出資法は29.2%を上限金利としていましたが、利息制限法は、金額に応じて15%~20%とされています。
貸金業者としては、当然業者側に有利な利率で、20%を超える利息での借入れを行っていました。
利息制限法を超えた支払いは、計算し直すと払い過ぎということになり、払い過ぎた返済分は借入れ元本への返済に充てられるべきで、この状態が一定期間続くと、返済していた当初はまだ借入れが残っているものとして返済を続けていたが、実は既に完済済みだった、という状況になります。
この払い過ぎた返済分の返還を求めるのが過払い金の返還請求ということになります。
3 過払い金が発生する場合と発生しない場合
以上が通常の過払い金発生の仕組みです。
要するに、過払い金が発生するのは、利息制限法を超える利率での取引があった場合で、利息制限法の影響を受ける取引について発生する、と言い換えることができるかと思います。
そのため、返済方法がリボ払いかどうかは過払い金発生との関係では問題とされません。
むしろ、過払い金返還請求の事案では、リボ払いでの取引となっていることの方が多い印象です。
では、すべてのリボ払いの取引で過払い金が発生するかと言えばそういうわけではありません。
まず、利息制限法を超える利率での取引がない場合にはそもそも払い過ぎが生じないため、過払い金が発生する前提を欠くことになります。
貸金業者によって差はありますが、おおむね平成20年頃までにはほとんどの貸金業者は過払い金が発生することになってしまう利率での貸付けは停止していますので、借入れの開始がそれ以降の場合には、そもそも過払い金が発生しない場合が多くなってきます。
間違えやすいのは、ショッピング利用の場合です。
クレジットカードのショッピング利用は、割賦販売法が適用される取引で、リボ払い等で発生するのは利息ではなく手数料とされているため、過払い金が発生しません。
4 過払い金が発生するかどうかの判断
過払い金が発生するかしないかは、リボ払いか否かではなく、まずはキャッシング利用かショッピング利用かで見ていただくとよいかと思います。
過払い金の相談にはどのような資料が必要になるのですか? クレジットカードを解約していても過払い金返還請求はできますか?