お役立ち情報
過払い金を自分で計算する方法
1 過払い金の計算方法のための必要情報
過払い金が有るか無いかを計算するためには、前提として過去の貸し借りの経過についての情報が必要になります。
一般的には「取引履歴」等と呼ばれておりますが、この取引履歴は貸金業者から取り付けることができます。
過払い金の計算を行うには、まずは取引履歴の開示から始めることになります。
2 無料の表計算による自動計算
インターネット等で調べていただくと、過払い金の自動計算ソフト等が無料で公開されています。
過払い金の発生の理屈からさかのぼって一から計算することは、非常に大きな手間や時間を要します。
自動計算ソフトの多くは、借入額、返済額、各取引の日にち等を入力すると、過払い金を計算してくれます。
すべての情報を入力すれば、一応の過払い金の計算はできるかと思います。
3 注意点
過払金の計算ができたからといって、各貸金業者がその計算結果に基づいて全額を支払ってくれるケースは、ほとんどといってよいほどありません。
過払い金の請求に関しては、最終的な支払い金額についての交渉が必要となってきます。
多くの場合、自動計算ソフトに基づいて計算したものは、争点等を考慮していない、請求する側に有利な金額と言えます。
貸金業者側には貸金業者側の言い分、反論があり、話し合いで解決しないことも少なくありません。
話し合いで解決できなかった場合、あるいは満額の回収を目指すのであれば、訴訟を提起して判決を得るところまで行う必要があります。
裁判自体についても、弁護士に依頼しなければできないものではないので、やろうと思えば本人訴訟も可能です。
もっとも、近時は過払い金請求訴訟における争点も複雑化しておりますし、争点によっては裁判所の判断次第で過払い金の請求が認められない場合もあります。
インターネットの一部では、「過払い金の請求は簡単。請求すれば満額回収できる。」といった趣旨の記事等を見かけることがありますが、適切に争わないと、1円も返してもらえないリスクがあるということには、十分ご注意いただければと思います。
過払い金が発生する仕組み 過払い金の返還請求で訴訟を行う場合のリスク